平等と自由を求めた女性作曲家たち〜ル・ボーとアンドレーを中心に~

1月 13, 2015
0 Comment

国立音楽大名誉教授の小林緑氏プロデュースのコンサートに行ってきました。(津田ホール)
作曲家といえば、バッハやモーツァルト。音楽室の後ろの壁にずらり並んだ肖像画は、みんな男性だった記憶。
ところが、1987年にアーロン・コーエンが「国際女性作曲家辞典(第二版)」を出版。

実に6000人以上の女性作曲家と楽譜が「発掘」されるのである。

小林氏は日本の女性作曲家研究の第一人者であり、歴史に埋れた女性作曲家の楽曲を再演する活動に積極的に取り組んでおられる方。
昨年パートナーシップ流山では、小林氏を流山に招聘し、講義を聞き、女性作曲家の曲を演奏するコンサートを行った。
私も娘とお邪魔して、その講義&音楽にいたく感動したのだ。

今回のコンサートでは、ドイツロマン派最高峰の女性作曲家であるルイーゼ・アドルファ・ル・ボーと、スウェーデン初の
大聖堂オルガニスト(当時、女性は教会オルガニストにはなれず、彼女が教会オルガニストになるために法律が改正された)
エルフリーダ・アンドレーを中心に、クララ・シューマンや「ピアノ教育大全」の著者であり、膨大な練習曲、
フーガ、変奏曲等を作曲した、エレーヌ・ド・モンジェルーなどの曲を演奏した。

それぞれの曲はどれも素晴らしく、特にクララ・シューマンの「ロマンツェ〜ピアノ協奏曲 イ短調 op.7 第二楽章」は出色の演奏だった。

小林氏の著作を読むと、女性作曲達が、様々な困難を乗り越え、作品を完成させていく姿に、いたく感銘を受ける。
7人とか8人とか子どもを産み、子育てに追われ、家族に翻弄されながら、それでも自分の音楽の追及を諦めない人。
親や夫の言うがまま、時に演奏や作曲を強要され、あるいは禁止され、時代の波に翻弄される姿。封建的な時代にも、
これほど、数多くの女性が作曲し、演奏していたことに、大きく勇気づけられた。(Y/A)

[top]

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>